2004年12月13日
愛しき友よ
大河ドラマ「新選組!」がとうとう最終回。普段ドラマを見ない私が、珍しく1年間はまったドラマでした。賛否両論あったようですが、実際の世代に近いキャストという試みは大成功だったと思います。満足のいく最終回でしたが、来週から楽しみが無くなってしまうのが寂しいですね。
しかし、普段ドラマに見向きもしない私がなぜはまったのか?一つには歴史物とくに幕末という時代が昔から大好きだったという私自身の趣味の問題。ただ、同じ大河でも「徳川慶喜」にはこれほど入れ込むことはなかった。見ようとするきっかけにはなりますが、はまる決定打ではない。
ではなにか?やはりキャストの熱演と共感できる台本のふたつでしょう。
ありきたりというか、当たり前すぎる理由ですが、裏を返せば、この当たり前をおろそかにしたドラマが今まで多かったんじゃないかと言うことです。キャストの演技はさておき、ストーリー展開や話の根底に流れる思想に共感できないものがこのところの大河ドラマでした。(だから途中で挫折した)。
では、新選組の何に共感できたのか?
それは、幕末という特殊な時代を生きた若者のエネルギーを描いた点。旧来のドラマでは、勤王の志士を取り締まる悪の頭目という視点で描かれていた近藤勇も、実年齢は桂小五郎より下。実は新選組も、激動の日本で「何かやらかしたい」若者の集団であったということ。ベクトルは違うけれど、根っこは倒幕側と大して変わらない集団であったこと。最終的には無惨に敗北し、歴史的にもさして影響を与えなかったが、彼らは彼らなりの信念で生きたこと。これらを描けていた点が素晴らしかった。
もちろん、完璧と言うわけではない。近藤勇が「いい人すぎた」印象は否めません。たとえば永倉の離脱を描くときには、もっと傲慢になった部分を描いてほしかったです。そのあたりの描写が少ないため、経緯がわかりづらくなっていたように思えます。
とはいえ、全体としては高評価できそう。キャストもOK。もちろん実際に人物を知っているわけではありませんが「実はこんな感じだったかも」と思いこませてくれることが出来たので問題ないでしょう。そう、史実や定説とずれるところがあってもかまわない。「こういう感じだったかもしれない」と思いながらドラマを楽しむことが出来たこと。これがこのドラマの良かった点です。
全話収録のDVDも出るみたいですね。カットされたシーンやメイキングなんかもあったら最高ですが、記念に買うことになりそうです。
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