竜言日語:将来像の設計ができるトップが必要

2004年07月14日

将来像の設計ができるトップが必要

取り上げるのは週刊！木村剛のこの記事。

週刊！木村剛（ゴーログ）は毎日眼を通していて、特に年金問題に関しては大いに勉強になりました。木村氏については、名前を知った当初の印象はあまり良くなかったのでしょう。が、このBLOGを読み始めると、割と好印象になり、現在ではこのサイトにもすっかりはまりこんでいます。

で、件の記事。テレビ出演についての予告も事前に見ていたはずですし、話題的にも関心の高いものだったはずなのですが、日曜の朝なんて野球がない限り起きられるはずがない。案の定「報道２００１」は見逃してしまいました。。。orz

それはさておき、日本のプロ野球では、パワー以外にメジャーに劣るとされてきた部分が多くあります（野球に限らず、日本のスポーツ界に共通しているかもしれないですが）。一つはトレーナー制度などのコンディショニング関連。もっともこちらについては、野茂投手以来実際に選手がメジャー入りするようになった影響もあって、ずいぶん改善されつつあるようです。そしてもう一つが経営などのマネージメント面。

プロスポーツというのは一見華やかですし、ファンもその部分にお金を払っているのですが、決して確固たる地盤がある類の業界ではない。関心のない人からすれば「無くなろうと知ったことではない」で済みますし、もっといえば「あってもなくてもどうでもいい」商売なのです。それだけに、浮き草商売を定着させ永続させるにはどうすればいいのかは、もっと以前より真剣に考える必要があったし、そういう専門家の育成もされるべきだったのです。

ところが、プロ野球は親会社の広告塔程度の扱いで、経営については本社からの天下り。景気の良かった頃ならまだしも、そうといえない現在では真っ先に削られる候補となるわけです。社会人野球のチーム消滅のニュースが珍しくなくなっていますが、プロ野球ですらその延長線でしかないわけです。

が、一球団レベルの経営以上に、実はもっと大きな問題は、木村氏の指摘にある「一定のパイの中での奪い合い」でしかなかったという全体構造でしょう。本来ならばプロ野球が中心となって野球というスポーツのおもしろさ・すばらしさを、次世代の人たちに伝えて発展させていかなければいけないはずなのに、狭い村社会で年寄りがテレビ放映権料など利益の収奪のみに関心を寄せるゆがんだ構造。ライブドアによる買収がオーナー連に敬遠されるのは、村社会に新しい人を招きたくないとする反発心以外のなんでもない。

折しも、オリンピック野球日本代表の壮行試合が行われました。超一流選手を集めて金メダルへの期待は高まりますが、これにしてもオリンピック期間中もペナントレースは行われるという不思議なことになっています。野球界が一枚岩となって協議を盛り上げる姿勢がない証拠です。

こういう歪みは結局野球界全体を俯瞰し、将来像を設計できる人間がトップにいないことが原因のような気がします。星野さんあたりがもっと頑張って欲しいなあ。