2004年07月02日

パロディか妨害か

自民がパロディー削除要求 中村敦夫候補がHPに掲載
参院比例代表から立候補している「みどりの会議」代表の中村敦夫氏(64)が自身のホームページに、パロディスト、マッド・アマノさんが作った自民党ポスターのパロディー図画を掲載し、自民党は1日までに「選挙戦に利用しようとしている」などとして中村氏側に削除を求める通告書を送った。  中村氏側は1日、記者会見し「表現の自由に頭が回っていない。野党の党首が与党を批判するのは当然」と主張。削除に応じないとする回答書を郵送した。  作品は、ポスターに記された本来のコピー「この国を想い、この国を創る」に文字を加えて「あの米国を想い、この属国を創る」とし、小泉純一郎首相の氏名も「小泉鈍一郎」としている。(共同通信)

「マッド・アマノ」とはものすごく懐かしい響きです。今はなきFocusの最終ページに、彼の作品が掲載されていて個人的に密かな楽しみだったのですが、廃刊とともに見る機会を得られず残念な思いをしていました。そのうち、ネットが定着して見ようと思えばいくらでも見られる機会があったはずなのに、今度は自分自身がすっかり関心をなくし、消え去った存在となっていました。

もう一人の主役中村敦夫さんですが、この人に対する印象は、タレント候補とひとくくりにできないほど骨太で本格的な政治活動をしていたなというものです。今回の選挙に立候補していたことは知りませんでしたが、何かと論点の多いこの選挙戦で与党に対する厳しい批判を繰り広げることは印象通りの活動。

この二人がタッグを組んでできた作品がこちら。たしかにストレートで自民党側からすればたまったものではないでしょう。しかも漫画ではなく合成写真ですから、より反発心は強いのかもしれません。自民党はかつてニュースステーションでの報道が不公正だとしてテレビ朝日にかみついたことがありますが、今回も同様の行動を起こしたことになります。

私自身は、中村氏が言うとおりこの程度は「表現の自由」の範疇にはいる程度ですし、何よりも公人としての小泉総理に対する批判であって、全く問題ないと考えます。政治である以上ある程度強引に政策を実施しなければならないこともありますが、共産主義でないのだから、政権にたいする批判というものを封じ込めることは禁じ手です。批判に対してどう反論や説得ができるかがその政党の器ではないでしょうか。

どの政党も完璧ではないですし、私自身支持政党が決められない状態です。一方で年金・イラク・北朝鮮・憲法など論点の多い選挙戦。それだけに世間受けではなく自分たちはあくまでこうしたいというビジョンを示し、どちらを選択するのかという状態にしてほしい。他党のHPに掲載された作品に目くじらを立てる以前に必要な仕事があるでしょうに。選挙ゲームに勝つことが仕事ではなく、国が進む道筋やデザインを描くというのが仕事だと言うことをいい加減自覚して欲しいもんです。

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