2004年10月25日

龍馬暗殺!そして…

ひさびさ(というか2度目の)「新選組!」感想エントリー。といっても、これまでも毎週欠かさず見ていましたし、感想を書いていない回についてもそれぞれに思いがある訳なのですが、今回はその中でも特別でしょう。
龍馬暗殺は、幕末を舞台にしたドラマであれば「花神」「翔ぶが如く」「白虎隊」などなど、誰が主役であれ欠かすことのできないシーン(史実)です。それだけ龍馬は幕末史においてのスーパースターだったわけですし、同時に「誰を下手人に仕立て上げるか」がそのドラマの大きな注目点ともなるわけです。
「新選組!」の場合は、数々の陰謀説のハイブリッドでした。もっとも有力な「見廻り組説」に「薩摩・岩倉黒幕説」を折衷。大胆な新説が出なかった点はやや不満ですが、なるほどあり得そうと思えるものでもありました。新選組が龍馬を保護しようとしたということは大胆ですが…(「こなくそ!」を入れたのはお見事)。
龍馬は、歴史上新選組の敵なのですが、このドラマでは近藤と友人という設定でしたし、さらにはややこしい幕末の流れや海外と日本の関係の解説役も担ってくれていました。新選組が内部粛正に明け暮れる中、討幕派は新たな時代への歩みを進めているという対比の象徴も龍馬でした。江口洋介というキャスティングもすばらしかった。「春日局」の家光役はトホホでしたが、今回の龍馬は良かった。
新選組は幕府崩壊に伴い、これから破滅への道を歩みます。来週は油小路で伊東と平助という主要人物が亡くなりますし、このドラマは群像劇であるからそう思えるのかもしれないですが本当に人がよく死ぬ。そしてこれが幕末という時代の特徴なのでしょう。
倒幕派側にも多くの惨劇があるわけですし、この時代の勝者となった西郷にしても、結局は新政府の抱えた矛盾の中で逆賊として命を落とすことになります。幕末とは、勝ち組負け組という単純な白黒がつけられないが、それぞれが自分の立場で国のあり方を考え、信じる道を歩んでいった時代ということなのでしょう。新選組は歴史的に大きな成果を上げた集団ではありません。しかし、そう言った時代の象徴として21世紀の人間の心に訴えかけるものがあるのでしょう。
三谷幸喜は喜劇作家ですから、毎回和やかなシーン・コントシーンが入っています。しかし、彼らの結末を重うと、その演出が一層悲劇を際だたせてくれます。来週から、また・゚・(ノД`)・゚・。 が続くんだろうなぁ。

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