2004年09月01日

金と同じで銅-これでいいのか?-

今年最大のイベント、アテネオリンピックが閉幕しました。当初は時差の関係もあってなかなか放送観られないだろうなと思っていましたが、それでも日本のメダルラッシュに押される形でかなりはまっていたような気がします。獲得メダル数が歴代最高と、好成績をあげた競技が多かったのですが、いまいちすっきり感がありません。それは単に寝不足が原因ではありません。結果はもとよりそのプロセスや自己弁護でしかない総括など、すべてが不満だらけの競技があったからです。そう、野球です。

単にマスメディアが煽っただけかもしれませんが、私自身も金メダルをとる可能性が高いと考えていました。いや、昨今の野球を巡るドタバタや人気低迷を救うためには「義務」とさえ感じていました。もちろん金メダルで人気が回復するわけでもないでしょう。が、負けてしまうと「世界一の実力でもないのに、あれだけ金もらっているのか」というムードになり、人気低迷にいっそうの拍車をかけかねない状態になることは予想できます。まさに「最低でも金」が彼らのミッションだったはずです。

百歩譲って、金メダルを逃したことは仕方なしとしましょう。しかし、選手やコーチ陣、さらにはこともあろうに野球評論家までがこぞって「100回やれば99回は勝てる」だの「金メダルに匹敵」という甘っちょろいコメントのみ。結果が出ない以上に、この身内に甘く、反省のできない野球界の体質に怒りを通り越した絶望感を感じました。

例えば、世界的にランクの劣るラグビーのW杯で決勝トーナメント進出できなかったところで、内容次第では「よく頑張った」が通用すると思います。しかし裏を返せば「勝てるわけないと最初からわかっていたよ」という前提があるわけですから、結果が出なくても健闘をたたえるという姿勢は、たたく以上に当事者に対して失礼な態度をとっていることになるわけです

野球はどうか?本当にオーストラリアに実力で劣っていたのか?そうは思いません。だからこそ「よく頑張った」は禁句だと思います。言われるまでもなく彼らはプロです。結果が出ないことに対して批判を受けることも仕事のうちです。また、批判されているうちが華なのです。

オーストラリアは日本を研究し尽くし、これしかないという展開で勝利をもぎ取りました。対して日本はといえば、無策と言っても過言ではない状況。相手をなめてかかって、その上で2回続けて負けるわけですから、恥ずかしいことこの上ない。「長嶋さんが、長嶋さんが」と免罪符のように唱えていれば見逃してくれると思ったら大間違いですよ。

いや、たたく人間はまだ野球に希望を持ってくれている分ありがたい存在です。世間の8割以上の人は、きっと見限っているはずですから。

金と同じで銅。ブラジルのデリマ選手にこそふさわしい言葉です。

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